女の子はね、どんな子だって絶対お姫様になれるんだよ。
それで、自分にとっていちばんの王子様と出会って、結ばれるの!
私がそれを、ぜ〜ったい!証明して見せるから!
きみもず〜っと、私のこと見ててよね。
それじゃあ行くよ?せ〜のっ!
世界征服っ☆
Character
朝海光は、二年前に電撃的デビュー(※自称)を果たした駆け出しアイドルである。アイドルとしてのコンセプトは"世界中を虜にする女の子"。「世界征服っ☆」というフレーズの独特さからネット上で多少の知名度はあるものの、全体的に見ればこれといった実績を残せておらず、どうにもコンセプトの方が強すぎるきらいが否めない。とはいえ、底抜けに明るくポジティブな朝海本人はこれから有名になっていくのだから問題ないと考えているようだ。アイドルとしてステージ上に立っている時の朝海と、日ごろの彼女には然してギャップがないだろう。明るく賑やかで夢見がち。将来の夢は「お姫様になって素敵な王子様と出会うこと」と豪語しており、それが叶うと信じて疑っていない。デビュー当初より王子様と出会いたいだの素敵な結婚をしたいだのと頻繁に口にしているせいもあるのかもしれない、朝海のファンはそうした朝海のアイドルらしかぬ言動もあたたかく見守ってくれているとか。よく言えば素直、悪く言えば単純で、感情表現はきわめて豊か。性善説を心から信じているお人好しで悪い人間ではないのだが、やや常識に欠けた言動が目立つ。端的に言うとアホの子で、通常では考えられないようなドジを踏むことも。アイドルとしての夢は大きく、コンセプト通りのアイドルになるべく日々精進を重ねている。自分のルーツがどこにあるかなんて露知らず、今日も理想の自分になるために、自分磨きを重ねている。
Sample role
(いつからかなんてわからない。ただ、少女は昔からきらきらしたものが好きだった。例えば、夜空に瞬く幾千の星。例えば、朝の光を浴びて輝く水面。例えば、女の子の夢が詰まった新作コスメ。例えば、ステージ上から見るいくつものペンライト。)みんな〜!今日はありがとう〜!楽しんでくれてるかな〜!?(張り上げた声に返ってくる歓声が気持ちいい。来場者の男女比はちょうど半分ずつ、あるいは女の子が少し多いくらい。まだまだ小さな箱だって、これから大きくしていくから無問題。愛すべきファンの皆からの声援を受けて、少女は――朝海光は、明るく笑う。)さあ、それじゃあ、最後の曲、いっくよー!!合言葉の準備はいいかなあっ!?せーーー のっ ! " 世界征服っ☆ "
はああ〜、楽しかったあ……!(大盛り上がりのライブのあとはいつも通りの世界だって必要以上に静かに感じられる。ステージ上であらん限り動き回った少女は、事務所のソファに身を沈めながらライブの余韻に浸っていた。「お疲れ、光。よかったよ」――あたたかい声掛けにぱっと明るくなる表情。マネージャーはいつも優しい。)ふふ、皆が憧れるお姫様になるための大きな第一歩、踏み出しちゃいました!ってね。へへへ〜。ありがとうございますっ!(にへら、と締まりない笑みとともに掲げたピースサイン。「ぜったいぜったい、マネージャーのこと武道館につれていってあげますからねっ」と続く言葉は、でっかい目標を諦めていないという意気込みを込めて。)………みてくれたかなあ。(そして、皆が帰宅しぽつんと事務所にひとりになったタイミングで、少女は静かに呟きながら、いそいそとスマホを取り出した。女の子はみんなお姫様になれる。だいすきな王子様が、いつか迎えに来てくれる。まるで幼稚園児のようだと笑われようと、朝海はそんな夢見がちな言葉を決して改めようとはしなかった。いつか必ず現れる――信じ続けた結果、出会った王子様。同じ夢をおいかけるあの人は、今日のチケットを使ってくれただろうか。)忙しそうだったし、来られなかったかもだけど……〜〜〜ッ、あ〜、もういいや!えいっ!(『ライブおわったよ!もし見てくれてたら、また感想聞かせてくれたら嬉しいな!』――そんなとりとめもない一言を送るのにも指が震えてしまう。恋のむずがゆさを感じながら、少女は送信ボタンをタップして、――そして、)……えっっ!!既読つくの早くないっ!?(そして、不慣れながらも愛おしい、初恋の幸せに浸るのだ。)