海羽 千凪-Yukina Mihane-

キミと一緒に何かをかたちにする、というのは
わたしの憧れの一つだったんだ。だから嬉しいよ。
――さ、お手をどうぞ。
準備が出来たら、恋の足音を皆に届けに行こう。

Character

いつだって、憧れを形にしようとしている少女だった。髪や肌を飾るアクセサリ、爪先を彩るネイル、理想を形にしてくれる洋服や化粧品。そんなきらきらとしたものが好き、と臆面なく笑う。足元を飾る靴もその一つだ。女の子の憧れを形にするように、その足元を魅力的にみせる。それを形に出来ることが心から楽しいと微笑むため、当初は足モデルだったところをそのままモデルとなり現在に至る。「Cherry-pick」におけるモデル活動の他、主だっては作曲活動を行っている。CMなどへのタイアップが多く、曲にコーラスを入れることもある。揺れる水面に反射するひかり、夜空に浮かぶ星、寄せるさざ波を色づかせる夕暮れ、彼女の曲はいつもそんな風景が思い浮かぶ音はこびと称されている。性格はまずロマンチストと称すればその通り、こころときめくものに両手を伸ばすこと、それを音にすることに余念がない。穏やかな気質だがおとなしいとは言い難く、どちらかと言えば行動的で自ら一歩を踏み出す度胸の強さがある。けれど恋愛においては少しだけ、他の事柄よりも足を留めてしまう。意識をしなければいつもの通りに振舞えるのに、肝心のもう一歩にはいつも足りない。それは恋が少女にとって、他とは違うときめきを孕んでいるから――かもしれない。

Sample role

――彼が?(その噂を聞いたのは、撮影を前にしてメイクを施されている時だった。思わず仰ぐように首を傾けてしまうのをぐっと我慢できたのは、きっと褒められていいところだろう。大人しく鏡をに向かう顔ばせはそのままに、視線だけが上向いてもう一度メイクを担当してくれる彼女へ問いかければ、「噂ですよ」とひとつ前置いてから同じ言葉が降ってきた。新しく加わる「SavneHAV」のイメージモデル、その選出は“恋”をコンセプトにしているから今までとはまた少し印象を変えていくとは聞いていたけれど。ぱちぱちと瞬きをしていたら、アイシャドウを塗るから少し下を向いてと声をかけられ言われたとおりにした。薄いグリーンを乗せられて少しクリアになった目元は、今日の撮影のイメージを押し出すような形だ。指先で艶めくネイルを眺めながら、話の続きというように「それで?」と問われれば今度は首を傾げるように頭を動かしそうになったので、踏みとどまれてよかったとは我ながら。それが噂についてだと思い当たれば、考えるまでもなく唇に笑みが浮かべられる。)楽しみだよ。そうなったら良いなって思う。(素直な気持ちは実際、噂だからどこまで信じて良いものかはわからないけれど。そうだったら嬉しいと色を乗せ終わった瞼を持ち上げながら今度こそ、筆を持ち替える彼女を仰いだ。単純に彼がどんな靴のイメージモデルとなるのかも気になるところではあるし、それに。もしかすると共に仕事が出来るかもしれないと、そんな期待もあった。なにせアイドルの彼と仕事をするのは、ひとつの憧れであり夢でもあったものだから。どんな形であれ、叶うならば嬉しいものだ。少し弾んだ語尾が伝えれば「その時はとびきり綺麗にメイクしてあげますね」と、彼女が笑ってくれたので今整えてくれたばかりの目元がほんのり色づいて。)その時は、お願い。(なんて、ちょっとしおらしく告げるのは気恥ずかしさもあってのことだった)