HQ × Crystal eyes sickness.
| どうしたんだ?浮かない顔して。この世の終わりでもないんだし、元気出せよ!……無理?まさか。 俺はさ、初めから叶うはずない恋だって分かってたんだ。俺じゃない誰かを好きな女の子を好きになった。こっちを向いて笑ってくれるのも好きだったけど、そいつが恋をしているときの顔がそれよりももっと好きだった。笑っちまうよな。俺にはそれが初恋だったんだ。玉眼症になって進行していく症状を考えながら、俺はこの恋を叶えたいのかどうかが一番悩みどころだったけど、最後の最後に告白してみて分かった。──や、この先は言わねぇけど。お前にだけはな、ははっ。 俺には天秤の片方はなかった。恋の勝率は限りなく低かったし、たとえ叶っても犠牲になる未来だってそんなに重くない。こんなこと言っちゃなんだけど、盲目だって幸せになれるんだから、恋の為に視力を失うことだってアリだと思うよ。つまり俺は悩む必要なんてなかった。だから、──アイツのことはちょっとだけ羨ましくて、同じだけ可哀想だなって思うんだ。きっと今、お前のことで頭がいっぱいだと思うぜ。 |
最終章「雨夜の月--糸引く雨と恋模様--」では、一つの恋の行く末を描いていただきます。前回のイベントにおいて、男の子と女の子は男の子を苦しめる病気の名を、そこからの解放の術を知りました。そして、二人、互いに様々な想いを巡らせたことでしょう。幸せの在処を探し、一つの選択をしたことでしょう。けれど、これは二人のお話。一人の選択だけでは、物語は針を進めることができません。ですから、答え合わせの時間です。或いは、二人で一つを選び取る時間かも。男の子は前回のイベント直後或いは数日後より、経過観察を兼ねて入院をすることと相成りました。そうして遂に、自らを蝕む玉眼症に区切りをつける決意をします。ただ徒に精神を摩耗するばかりの日々に別れを告げるための方策はひとつ。それは、恋い慕う少女へと想いを告げること。告白の理由は4.5章の選択次第で変わるかと思います。すなわち、視力を選んだ男の子は「思いを告げて振ってもらうため」に、恋心を選んだ女の子は「思いを告げて叶えてもらうため」に。どちらが理由であったとしても告げる気持ちは真実のもの。宝石のかがやきを抱くまでに至高なる思いを向けられたとき、女の子は何を思うのでしょう。無論、女の子も様々な感情を抱き思考を経た後に男の子の前にたっています。ひとりとひとりの間に芽生えた淡い淡い恋心。いつしか熱を帯び、輝きを伴うようになったふたりの「恋」に結びをつけるときがやってきました。どうか後悔のないよう──あなたの願いはなんですか?