白雨
--焦がれあった連星の紡ぎ--

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(得た星へどうか祝福を。)
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松川一静
(試合において、絶対など存在しない。一度勝利を収めた相手だからと言って次も勝てるとは限らないし、その逆もまたしかり。人は進化を続けるものだ、敗北こそ糧となる。容易く蹴散らした筈の相手が強敵に成長するなんてよくある話。故に、初戦こそ臨むにあたって最も緊張する一戦かもしれない。指先に絡むひりついた緊張感は、その日最初のブロックを決めた瞬間より痛々しさを緩和していくだろうけれど、凪いだ表情の奥、爛々と輝く瞳の灯が消える事は無い。相手は何度か練習試合の経験があるチームだ、互いにある程度手の内は知られていよう。一進一退の拮抗した展開がしばらく続いたものの、我らが主将のサーブによる連続得点により第一セットは先取。続く第二セットも焦らず確実に取るべきポイントを押さえることで序盤から青葉城西の優位に傾いていく。応援の声が更に追い風となっているのだろう。全員動きが良い。何より自分自身、普段よりもよく体が動く。それはタイムアウトの際ふと目に入った少女の視線を感じている為でもあった。ふとした瞬間に瞳の奥が痛むけれど、その不調を補える程には頭が冴えていた。この調子を維持したい。その為には何をすべきか。宙を舞うボールを目で追いながらその視界の隅、焦燥の滲む無理な助走を好機としては地面を蹴った。崩れた姿勢のスパイクをきっちり殺せばいよいよ勝利は目前に迫る。運動量によるものだけではない、逸る鼓動を落ち着けるべく立ち位置につき深く息を吸ったなら――まずは一勝、掴み取る。)……あ~、俺はパス。お疲れ様です~。(――安定感のある試合運びで初日を勝利で飾ったなら、手早く片付けを済ませて帰宅を急ぐ。日は傾き、夕飯時。ラーメンでも食べに行こうと賑わうチームメイトにつれなく片手を挙げて見せたなら、そそくさとその場を後にした。スマホを取り出せば彼女とのトーク画面を開き、隙を見て送信していたメッセージに既読が点いていることを確認する。「試合終わったら飯いこ」との誘いに返って来た返事はさてどんなものだったか。断られたならまた後日にと約束を結び直すだけのこと、喜ばしい結果であれば会場を出てすぐの入り口付近で待っててと返信しては走り出したい気持ちを堪えて急ぎ足で向かおうか。再びつきりと痛み出した瞳については疲労が原因だろうと深く考える事は無く、歩きながら眉間を揉み解す様は今し方まで試合をしていた高校生というよりは長時間のデスクワークに疲弊したサラリーマンといったところ。ぱちぱちと瞬きをして視界良好であるのを確かめるべく周囲を見渡したなら、柔らかな黄金色の髪が風に揺れたのを見つけることが叶うだろう。その名を呼ぶべく柔い微笑みを唇に浮かべれば、先ずは今日を見守っていてくれたことへのお礼の一言を続けるだろう。)
Published:2019/06/10 (Mon) 20:57 [ 5 ]
まっつんはご褒美とか作る?これ勝ったらあれ食べるぜ的な。
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高梨藍
なっ…!少なくともゆきのためにおしゃれしたわけじゃないですぅ。にやにやするのやめてくださ~い。(某日、宮城県某所の体育館。2階席でばったり会った幼馴染、目敏く変化を感じ取った彼から「なんか今日雰囲気違うじゃん。アイツの応援だから?」とからかわれて、高梨藍はふくれっ面を見せていた。ネイビーのドットワンピースにアイボリーのスウェットを重ね、足元はスニーカー。彼女の制服が膝上20センチ丈のスカートであることを知る同級生から見たら、今日のミモレ丈は確かに意外に映るかもしれない。不調があるらしく珍しく眼鏡姿の彼に「治らなかったらちゃんと病院行きなよね」と捨て台詞残し、少女は"コートを制す"の垂れ幕とバレー部員たちから少し離れた位置に陣取った。最前列だ。)いけっ、岩泉!わっ花巻拾ったやばい!……おおお!まっつんナイスブロック~!もう1本~!!(幼馴染の言い当てた通り、気の置けないクラスメイトであり、片思いの相手でもある"アイツ"の応援に来ている。高校3年生、最後の夏の、はじまりの試合。こうして現地にいられたことが、少女はとても誇らしかった。何度か応援に出向いたことですっかり覚えてしまった青城バレー部の掛け声と手拍子にも参加しつつ、めいっぱい声を張り上げる。相手サーブ拾って間髪入れずに立ち上がり、囮で飛んだかと思えばすぐさまブロック準備、スパイクの方向を見極め左右に移動し壁となる。彼の献身的なプレーはいつだって心を打つけれど、今日はひときわ輝いて見えた。有り体に言えば、めっちゃかっこいい。――1セット目を終え、2セット目に入るまでのわずかなインターバル。手持ち無沙汰からなにげなく取り出したスマホに通知を見つけた少女は、「ひぇっ」と小さく声をあげた。飯いこ。さらりとした誘い文句を載せたふきだしを穴が開くほど見つめたあと、コートの端で水分補給している背番号2番を目で追う。「えっみんなでごはん行かないの?」まず出てきたのは純粋な疑問と驚き。それから続けて、頬を赤くして"うれしい"と喜んでいるくまのスタンプを送信した。返事はもちろん、オーケー一択だ。)………まっつん!おつかれさま~。(指示された通り入口付近で待っていた少女は、かけられた声にパッと顔を上げ、へらりとほがらかに笑った。頬がほんのり紅潮していて、その彩とすこし乱れた前髪とが、いかに応援に熱が入ったかを物語っているだろう。告げられた言葉にはううん、と首を振り、)こちらこそありがとう。すっごく見応えのある試合だった。(きちんと目を見て祝福の言葉を。)――青城初戦突破、おめでとう!
Published:2019/06/11 (Tue) 02:06 [ 6 ]
毎回はやらないかな、たまに気が向いたらって感じ。高梨は?
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松川一静
(まず真っ先に彼女とのトーク画面を開けば、そこに踊るは喜ばしい返事を持って来たくまの笑顔。良かったと胸を撫で下ろし歩む男の足取りは軽い。道すがら脳内では試合後の簡単なミーティング内容を反芻し、加えて今日の自分のプレーや味方の動きを思い返し明日への対策を組み立て。良かった所と悪かった所、冷静に分析したらば忘れぬうちにとスマホに簡単なメモを残していく。待ち合わせ場所まではもうすぐ、少しだけ歩調を緩め代わりに手早く打ち込み終えたなら、一先ずは用済みとなった端末をジャージのポケットに滑り込ませよう。飄々と唇を尖らせれば「よっ」なんて言って片手を掲げてその隣に並び立つ。)おつ~。いや、ほんとに見に来てくれててびっくりした。前の方にいたでしょ、ちょいちょい声聞こえてたよ。(試合中の意識は対戦相手やチーム全体に注がれているものだから、普段ならば外野の声援は正直あまり聞こえてこないのだけれど、それでも彼女の声だけは大勢に交わらず凛と鼓膜を震わせた。『応援が力になる』とは余りに陳腐、けれどこうして実体験してみれば笑い飛ばす事も出来ず。懸命に応援してくれていたのだろうと分かるその様子に微笑ましさを感じては、素直な感謝の念が湧いてくる。)……うん。ありがと。この調子を維持出来るよう全力で突っ走ります。都合がつくようだったらまた応援来てね。(視線を合わせ、薄ら笑みを浮かべて見せる。其処に勝者の余裕は全く感じられないだろう。驕ることなく耽々と、目指すは頂ただ一つ。次も勝つ、勝ち続けるとの意思をありありと滲ませたそれは、けれどもすぐ普段の穏やかな微笑に切り替わるだろう。)高梨もずっと応援してて疲れたでしょ、ていうか俺が限界。腹減った~……。何食べたい?(立ち話も何だしと歩き出してみるのはいいものの行先は特に決まっていない。故に彼女の意向を尋ねよう。ついでに試合の感想だとかも合わせれば、道中の話題には困らない筈だ。途中で「私服って新鮮。」と、制服とはまた違う大人びた格好に言及したなら)可愛いね。(深い意味を持たせないようさらりと舌先で紡いだ、紛れも無い本心。)
Published:2019/06/11 (Tue) 22:49 [ 10 ]
アクセサリー買ったりするよ。その曲弾いた記念、みたいな。
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高梨藍
もちろんだよー、レッスン終わってソッコー来たよ。間に合ってよかったあ。(どやと口角上げて応える。「そんなわけなので、差し入れはなくてかたじけねぇ。」些か古風な言い回しは、茶目っ気と捉えてもらえるだろうか。聞こえてたよ。続いた言葉に、胸がぽかぽかとあたたかくなる。感情そのままに表情ほころばせたなら、)本当?えへっ、腹筋の成果が出ましたね。(なんておどけてみせるのだった。――全力で。それは慢心も迷いもなく、ただ決意だけを宿す澄んだ瞳だった。そのまなざしを正面から受けとめて、高みを目指す同志としてのはなむけの笑みを返す。ああやっぱりわたし、バレーにひたむきなきみが好きだ。来週、来年、それより先も、どうか彼がこの競技を楽しめていますようにと、願ってやまない。「応援、今度はちゃんと差し入れ持ってくるね。」また来てねの申し出だって、一も二もなく快諾だ。)大丈夫だよ~、でもおなかは減った!えっラーメ…んん、いやオムラ……和食もいいなあ……(彼の雄姿ならば何時間でも。夕食のメニューについて相談されれば悩ましげに眉をひそめ、両のてのひらで顔をおおって唸る。次々浮かぶ選択肢に決められないと首を振ったあと――薬指と小指のあいだを開いて隙間をつくり、ちら、と悪戯っぽい瞳を覗かせた。結論は、結局いつもの「ガスト行こ。」だ。あるいは彼に希望があればと、問いかけを返しながら。)えっ!……えへ、へっへっへ。(かわいい。道中で耳朶にふれたその四文字に、ふわっと花が咲いたように気持ちが明らむ。何日も前から何を着るか悩んでいた。試合前後で多少なりとも会えることを期待したからだ。かわいいは難しくても、こんなの着るんだくらいの関心が得られれば万々歳、そう思っていたのに。望んだ以上の戦果に、てれてれとはにかむ口元が抑えられない。わかりやすく軽い足取りでしばらく歩いた後、「あっ、今日さ、」脈絡などお構いなしに話題を戻した。)2セット目のブロックすごかったねえ、あの、タイムアウトの前の。あと、あっちがお見合いしちゃったサーブ!あれまんなか狙ってたの?(質問は密着取材ばり。彼以外の部員も友人であることには変わりないから、各々が活躍した場面は見逃していないと思う。試合全体の流れも追っていた。けれど――気付けばこの両目はいつだって、彼を探してしまうのだ。恋に落ちた少女には、“均等”は到底無理な相談だった。)
Published:2019/06/12 (Wed) 17:58 [ 15 ]
成程。形に残るものっていいね、俺も今度やってみよっかな。
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松川一静
まじでか。尚更ありがと……そしてレッスンお疲れ様です。差し入れだなんて滅相も無い……駆け付けてくれただけで嬉しゅうございます。(なむなむ、と両手を合わせて拝むように頭を垂れれば即席茶番劇の完成だ。とはいえ芝居めかした大仰な口ぶりは長続きせず、「ほんとほんと」と紡ぐ頃には何時もの彩に欠けた顔ばせに戻っていたことだろう。)いや~ばっちりでしたな。俺も負けてられないし、今日から腹筋の回数増やそうかなって思った。(両手をポケットに突っ込み肩を竦めながらの声音は彼女につられたように軽やかだ。こうして他愛ない会話が弾む瞬間が楽しくて仕方ない。チームメイトと戯れるのとはまた違う、二人ならではの距離。「わ~い。期待しとく。」冗談めかした言葉と共に、平ったいな瞼がふわりと曲線を描くだろう。――彼女の微笑みに、まるで背中を叩かれた心地だった。見ていてくれる人がいるとはこんなにも励みになるものなのかと驚きすら覚える。更に言えば、舞台は異なれども見据えた先の光はきっと二人同じ色。たゆまぬ努力を続けるその姿もまた、走り続ける為の力になる。)俺も高梨がピアノの演奏する時は差し入れ持って行くね、約束したし。見に行っても大丈夫な時ってある?(だからこそ、自分もまた彼女の支えになれたなら。その背を押すことが出来たなら。いつかの夕焼けに染まった約束を第一に示せばその本意は覆い隠されよう。)うわ、確かに迷う。……、……じゃ、あとはガスト様のメニューを前に悩みましょうってことで。(唸る彼女の隣でけらけらと笑いつつ、具体的なメニューを聞いたことにより主張を強めた空腹感を宥めようと自身の腹部を擦った。首を振る彼女を覗き込むように多少背筋を丸めたならば、指の隙間から覗く澄んだ飴色に迎えられ鼓動が跳ねる。自分たちがすれば到底ギャグでも、彼女であれば唯々愛らしいその仕草。可愛いなこんにゃろ。 なんて、流石に言える筈もなく。動揺を誤魔化すべくおどけた調子で方向を定めたなら彼女に合わせていつもより小さ目の歩幅で歩き続ける。)高梨サンてば、すごい嬉しそうね。(思わずもう一度零れかけた四文字を飲み込んだなら、茶化す事で誤魔化した。感情豊かで分かりやすいのもまた惹かれる所ではあるけれど、此方まで照れてしまいそうなその喜びっぷりはあまり宜しくない。主に此方の我慢の問題で。込み上げる恋情を押さえ付け、平常心と唱えたならしばし暮れ行く空の移ろいを眺めていたものの、話題の転換に乗っかるべく視線を彼女へ戻そうか。)あ~。ありがと、あれ相手がジャンプ踏み切ってないな~って分かったから決めれたんだよね。咄嗟の事だったけど、綺麗に決めれて気持ち良かったなー。サーブん時は……相手、ミスも増えてたし結構ぎこちない感じだったから狙い目かなって思ってて。まぁあんな綺麗に決まるとは思わなかったけど……。(記憶をなぞってその時々の思考を掘り起こす。反射では無く思考で身体を動かす事、その良し悪しはあれども自分の強みであるからこそ、こうして難無く思い返せるのだ。真剣勝負の緊張感、思惑がぴたりと嵌った瞬間の快楽。何度味わっても足りないそれら、試合は終わったばかりだというのに再びコートに立ちたくて仕方ない。ふっと小さく笑みを零しつつ、「てか、」なんて切り出してちらりと彼女を流し見れば)ほんとによく見てくれてんね、俺のこと。(きっとそれもまた、彼女にとっての己が特別である証と自惚れて。大多数の目に留まらずとも、彼女が見ていてくれたというその事実は最高の褒賞だと、浮かれた心地を素直に表情に滲ませよう。)
Published:2019/06/13 (Thu) 15:37 [ 18 ]
その場合まっつんは何買うんだろ?アクセとかつけるタイプ?
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高梨藍
いえいえ。今日めっちゃ集中したから、いい音出たんだ。(先のレッスンにて表現が叶った複雑な音色を思い返せば、唇が満足気に弧を描いた。自身の茶番にイメージしていた通りの即興で乗っかってくれた彼の動作には、あはは!と明るい笑顔がはじける。真似してなむなむ拝みながら、「えっじゃあわたしも腹筋回数増やす」と謎の対抗心をむき出しにするのは無謀だろうか。――なんでもない会話なのに、こんなにも心が晴れやかになるのはなぜなんだろう。楽しくて、安心して、聞いてほしいことがどんどん広がっていく。まるでざらめの粒が熱によってふわふわと溶けて、おおきな綿菓子になるように。魔法使い、なのかなあ。少女は時折本気でそんなふうに考える。)わっ、ほんと?うれしい。(「ピアノの演奏する時は」。あの茜色のゆびきりを念頭に置き、その日が訪れることを疑わない彼の言葉が嬉しい。「大丈夫な時、もちろんあるよ!」親の応援を心待ちにする小学生のような瞳を彼に向ければ、)予選もうすぐ始まるんだけど、ん~~……やっぱり本選に、来てほしいな!全国大会だけど、今年の本選は福島でやるんだよ。(キャンプの予定でも話しているかのごとき暢気な口調はけれど、1拍の間を置いてがらりと彩を変える。)――わたし、絶対行くから。本選。(それはまっすぐで、静かな声だった。あめ色の瞳をふちどる睫毛がかすかに揺れたのは、不安と決意とがないまぜになった感情の現れ。真剣な顔をふにゃりと緩ませ、「差し入れはお花かチョコがいいなあ♡」ここぞとばかりに無茶を言って甘えてみせるのも、決意が揺らぎそうになるのを誤魔化すためだ。)ね、ガスト様なら大抵のおねがいは聞いてくれそうでしょ。(「てかまっつんはハンバーグ確定じゃないの?」好物と宣言しているメニューの存在をちらつかせ、楽しそうに瞳を細めた。ふたりの横を他校の部員らしき男子たちがすり抜けて、あっという間に小さくなる。男の子は歩くのが速い。わたしが置いていかれないのは、彼がゆっくり歩いてくれているからだ。さりげない優しさをあらためて意識すれば、想いはまたひとつ色を増やしてゆく。)へっへっ、…へっ?あっ、…えへへ。かわいいなんて、言われ慣れておりませんで。(やばい、顔に出すぎた。頬がじわじわと熱を持ちはじめたことを感じながら、追及がないのをいいことに彼の冷やかしに応じてへらりと笑顔を返した。試合の話題になるとすこしホッとする。こういうくすぐったい雰囲気になる可能性が低いからだ。)へえ……!相手の踏み切りの甘さとか、チーム内の雰囲気とか、一瞬でいろいろ考えるんだ。すごいなあ……。でもそれって、まっつんが毎日練習して研ぎ澄ませてきたからこそだよね。(冷静さ。それが松川の武器なんだと、花巻が言っていた。きっと気質に合ったその武器を、たゆまぬ努力と奢らない心でより鋭利なものへと昇華させてきたのだと思う。わたしも、彼みたいに出来るかな。ぎゅ、と自然手に力がこもる。)――、(好きだよね、俺のこと。機嫌良く細められた涼やかな瞳に言外でそう問われているように感じて、咄嗟に言葉が出なかった。「ぁ、」と小さな吐息のあと、仕切り直すように明るい笑みを浮かべれば)そっそりゃあ、まっつんに招待してもらってるし。同じクラスだし、男バレでいちばん仲良しだし。(あとさ、それにさ。もっともらしい理由を重ねるけれど、いずれも応援に来たことに対してのもの。結局少女の感情は、薄紅色のひかりを放つその笑顔を見るのが手っ取り早いのだ。ご明察。もう好きすぎて、まっつんしか目に入りません。)
Published:2019/06/14 (Fri) 09:44 [ 23 ]
気が向いたら。いっそ日用品にしようかな…味気ない気もするけど
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松川一静
へぇ……それって、もしかしなくとも俺たちの応援に駆けつける為?(先の会話を思い返しつつ、満足げな様子を見つめ。茶化すような口ぶりで尋ねては、同時に今取り組んでいるのはどんな曲なのかとも。音楽に精通しているわけでは無いけれど彼女の愛する事柄について知りたいと思うのは常、弾けた笑顔を網膜に焼き付けては此方もまた口角を吊り上げて。「ほう……俺に勝てると思うのか……?」なんて悪役よろしく笑みを深めようか。彼女の紡ぐ音はいつだって明るく暖かい。多様な色を浮かばせるそれに此方もつられて、他愛ない話もいくらでも続けられる。隣り合う時間がこんなにも心地良いのは彼女だからこそ。自身の言葉を受けて弾んだ言葉、輝く眼差しを受ければ試合の疲れも癒えるよう。本当だと頷いて見せたなら、続く言葉に耳を傾け、噛みしめるよう地名をぽつりと呟いて。)……うん。応援に行くから。お互い頑張ろうな。(凛と響いたその声音は、平静を保つ心を揺らす。目指す舞台を遠く見据えた眼差しを、長い睫毛が震えた様を、忘れる事のないよう瞳に焼き付ける。強い決意を纏ったそれは、彼女が自分自身にも言い聞かせたものである気がした。頑張れとは言わない、高梨なら行けるよとも言わない。ただ、君が高みを目指し続ける限り隣で走り続ける男がいるのだとは知っていて欲しい。「俺と花束って組み合わせNGじゃない?大丈夫?」と真剣な面持ちでふざけて見せるけれど、続けて彼女が望む二択それぞれの好みを問う。それは期待に応える心持ちは万全なのだとの意思表示。)いやまぁ結果的には確定してるんだけどネ。たまには違うのにしなよ〜ってメニューに唆されるからさ……。(二人分の足音。揃った歩幅に細やかな幸福を見出しては、眦が微かに柔らぐ。頭一つ分ほど低い位置にある彼女の頬が熱っぽく染まるのを盗み見たならより一層――。)………まぁねぇ。言葉にした時ほどしっかり組み立ててる訳じゃないから、ある意味反射に過ぎないというか、後付けなのかもだけど。………そう改めて言われると照れるな〜。(――柔和さを帯びるはずだった目元は、ちくりと走った痛みに微かに歪められる。此処最近、覚える事の増えた違和。ぎゅっと眉間を揉み瞬きを繰り返せばそれは引いて行くし、視界に影響も無いから唯の眼精疲労と思いつつ。平坦な声音、最後を戯けた調子に染める事で不調を覆い隠そうと。)ははは。その調子でこれからもどうかご贔屓に。(小さく声をあげて笑ったなら、ポケットから出した手で得意げにピースサイン。言葉よりも雄弁に少女の胸の内を語るその笑みに、想いが深まると同時に再び視界はぼやけ、じくりと広がる鈍痛。)…………あ、(ぐし、と何気なく指先で目元を擦ればそのまま正面へ向き直り、「到着」と視認できる位置にある看板を指さそう。淡く浮かべた笑みはいつも通り、一瞬の綻びなど無かったかのように。)
Published:2019/06/15 (Sat) 13:14 [ 26 ]
消しごむとか?(笑) シャーペンばっかり集まるのもねえ……
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高梨藍
そうだよ!まっつんが待ってるぞ~!って思ったら、尋常じゃない集中力が。(へらりと肯定し、「先生にも褒められちゃった」とほくほく顔。問われれば今朝みっちり弾きこんできた曲―バラキレフのイスラメイ―について瞳輝かせ語るけれど、反省点が細かすぎて、難しい、でも素敵な曲、はりきってる、くらいしか伝わらないだろう。「やってみなけりゃ……わかんないだろ……!」くっ、と唇噛みしめ上目遣いで彼を睨みつけるこちらは、少年漫画のヒーロー気取りだ。)………うん。おたがいに。(短い言葉を交わし合う。それだけでいい。多くを必要としないこの会話にふたりのこれまでの道程を見るようで、少女は満たされた気持ちになった。目標ははるか高みにあって、足がすくんでしまうこともあるけれど――肩にそっと手を置かれたような、隣にいるよと言ってくれているような、彼のひたむきな姿が指標となって、また前を向くことが出来る。背中を追いかけてたまるか。ぜったいに並んで走るんだ。頂上まで。)え、……ふはっ!た、たしかにまっつんがお花持ってきたらちょっと違和感あるかも……!(好きな人から花をもらうというのは憧れだ。軽い気持ちでの提案だったから、冷静に尋ねられて初めて具体的な絵に想像が及べば、ころころと楽しげに笑った。チョコレートは、とびきり甘いやつ。これは即答。して花は、)お花は、……まっつんがくれるなら、どんなお花でも嬉しいよ。(瞳の中を花弁が舞うようなやわらかな色で、はにかんでみせた。かと思えば「スーツに赤い薔薇とかね!」なんて、敢えてギャグに寄せようと冗談めかしつつ。)こんなにメニュー用意してるのにまたハンバーグなの、ってねえ。でも大丈夫だよ、わたしが相っっ当悩むから、まっつんも考える時間あるよ。(空腹だと嘆く彼に向かって言う台詞かはともかく、その声音は間もなく到着する馴染みの店での時間を心待ちにしている。「でも反射の裏付けが、経験だったり思考だったりするんじゃない?」謙遜の言葉へ流れそうになる彼に、知ったような口をきいて笑いかけようとしたけれど――刹那、そのやわらかな表情が歪んだのを、ふたつのあめ色は捉えてしまった。“最近急に必要になっちまったんだよな、眼鏡。”首をひねる幼馴染の姿が、なぜだか不意に脳裏をよぎる。)……ふふ、もちろん!高梨はこれからもずーっと松川選手推しですから。がんがん追っかけしちゃうよ。(ちょっと疲れが出ただけかな。試合の後ということも鑑みて、一時的な疲労かと結論付けた。おどけた様子で二本指立てる彼に、軽やかな口調で応じながら。――さて席へ通されていかばかりか、少女は紆余曲折の末本日のディナーをオムライスと決め満足顔だ。お水とってくるから迷ってていいよ、と席を立ち、スカートを翻してドリンクバーへと向かう。道すがら、)――……痛いのかなぁ。(立て続けに見た、目元を気にする彼の様子が気になる。乾燥だろうか。あれだけ風を切って走り回るのだから無理はない。そう思うのに、この胸さわぎはなんだろう。うつくしい和音が脅かされていることに、気づく者は未だいない。悪魔は長い爪のひとさし指で、均衡を崩す一音を押すその時を、舌なめずりして待っている。)
Published:2019/06/16 (Sun) 07:40 [ 28 ]
シャーペン何本も使わないからね。色々と迷っちゃうなあ
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松川一静
それはなにより。駆け付けてくれた結果が勝利で、改めて良かったって思うよ。(負ける心算などさらさら無かったけれど、彼女の言葉には素直にそう思う。どうせ見せるなら格好のついた姿をだなんて、彼女が知ればまた鈴のような笑い声が響くかもしれないけれど、それは今はまだ自分だけの秘密と、ピアノの話になれば途端いつも以上に生き生きする姿を微笑ましく見つめては、適所に短く相槌を打つのだった。良い事の一つでも言えれば良かったのだけれど生憎気の利いた事なんて思いつかなくて、激励と共に「その曲、音楽室で練習したりはしないの?」とさり気なく付け足すくらい。他愛ない茶番は男が小さく両手を広げ、ヒーローの挑戦を扇動した辺りが限界。二人して何してるんだかと、口元を掌で覆えば零れる笑い声に肩を揺らすのだ。こんな風にふざけながらも、互いに見据えた先を見失う事は無い。短くも芯を持ったその声に背筋が伸びるようだった。競技を通してでは無く、全く違う世界を生きている者同士だからこそ。芽生えた感情は男ならではの強みにしかならないのだと信じて疑わない。負けてられないな、と。こっそり胸の内で呟いたなら切り替える様におどけた声音で「でしょ?」と大袈裟に頷いた。)誰の保護者ですか?とか言われかねない。その時は兄か……叔父とか?って言ってみようかな。(花束を小脇に抱えるにしても絵になる人物はいる、それこそ女子受けのいい甘い顔付をした主将なんかは腹立たしい位にこなして見せるのだろう。制服を脱ぎ花束をオプションに加えてしまうといよいよ実年齢を遥かに上回って見えるに違いないと悩まし気に眉根を潜めたものの、実際そこまで深刻に考えている訳でも無い事は言の葉の後半が愉快そうに弾んでいた事からも察する所。)……そう。じゃ、当日のお楽しみってことで。笑ったらチョコ没収するのでそのつもりで。(甘やかに細められた瞳に見惚れてしまえば、言葉に詰まる。瞳は雄弁だ。言葉よりもずっと多くの事を伝えてくれる。「蝶ネクタイとかしちゃったりしてな。高梨の腹筋が死ぬ様が目に浮かぶ。」なんてふざけて返す男の瞳もまた、その奥に秘めた柔らかな情を滲ませていよう。)そうそう。そんでたまに別のメニューにしたりもするんだけど、その度にあ~やっぱハンバーグが美味いわ~って再認識する。悩むのは全然いいけど……俺の空腹が限界迎えるまでには決めてね?(とはいえ悩まし気な様子を見ているのも全然悪い気はしないので、急かす心算は無いよとおどけた口調がフォローに回る。今後の応援を約束してくれた彼女へ告げた感謝の言葉も軽快なものだった。ほんの一瞬の霞みは自動ドアを潜る頃にはとうに消えていて、メニューとにらめっこする様子も注文を終えてご満悦な相好も確りと見守る事が叶う。気遣いに甘えてメニューを捲りながら、何となく人差し指と親指で目頭を解しては首を傾げよう。言及はされなかったが彼女も何か感じる所があるようだったから、無駄な心配を掛けぬよう気をつけなくては。ふとした拍子に痛むのが煩わしくはあれど、瞬きを繰り返すうちにいつも痛みは引いて行く。そう日常に差し支えないものともなれば深く気にする程でも無く、帰宅後のストレッチに加えて熱したタオルでも当てて目元の疲れを取り除く事を検討してはメニューを閉じた。此方へ向かう足音が耳殻を掠める頃にはいつも通り、平淡な面持ちで少女にお礼を告げよう。それから、)俺はやっぱハンバーグにします。(彼女が席に着き、問題無ければ呼び出しボタンに手を伸ばす。多少惑えど行きつく先はやはり変わらない。何時も通りの選択は、この愛おしい日常を噛み締める為でもあった。)
Published:2019/06/18 (Tue) 13:22 [ 35 ]
場所でもいいよね!ちょっと奮発してねこカフェとか…♡
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高梨藍
あはっ、そうだね。……本当にわたし、来てよかったなあって思ってるよ。(ことさら丁寧に紡ぎながら思い返すのは、試合開始前に聞こえてきた他校生の言葉。)廊下とかで話してる人いたんだよ、青城はまあ、今日はまだ余裕でしょって。実績から見たらそうなんだけど、みんなはそこに甘んじてなかったでしょう。余裕があるからこそ勝ち切るというか――まっつん、ずっと真剣な顔してた。ああだから強いんだなって、思ったんだ。(かっこよかった。すごく。結局いちばん伝えたい言葉は、これ以上ないほどシンプルなものになる。勝利の喜び以外にも得たものがこんなにもたくさんあるのだということが、拙い言葉で伝わったなら僥倖なのだが。「イスラメイも弾くよ!合唱部の夏休みの予定、ゆいなにコピーさせてもらった。」こんな時ばかり頭の回る女である。部活動のない日を狙って音楽室へ通う企みで、その瞳にしたたかな光がきらりとまたたいた。思いのほか展開した即興コントには、「これどういう設定?」と今更くすくすと空気を揺らす。楽しい。嬉しい。好き、だからこそ、置いていかれたくない。この帰り道のなにげない会話が、目に焼きつけたひたむきな横顔が、あしたの少女の糧になる。)あはは!じゃあわたしも「一静おじちゃん来てくれたの~?」ってまっつんの方走ってくね。……えへへっ、おたのしみ、うれしいな。(自身の外見を卑下せず冗談として活用する、彼の飾らない雰囲気が好きだ。悪戯っぽく瞳細めて応じ、それから、「お楽しみ」という言葉の響きにうっとりと頬を染めて微笑んだ。彼が自分を思って用意してくれるおくりもの。想像するだけでとろけてしまうような心地だけれど、)でもさ、気遣わなくていいからね。ほんとう。(会場にいてくれるだけで、嬉しい。だから本当は、なんにもいらないのだ。ね、と念を押すように首を傾げたが、続いた言葉に「え~っ、没収はずるいよ!反対反対!」とぽかぽかとジャージ越しにたくましい腕を叩いて笑うだろう。「てか、蝶ネクタイじゃおじちゃんというよりおじさまじゃん!」)あはっ、やっぱり本妻がいちばんってやつですネ。うふふ、善処いたします。どうしようかなあ~…(大好物は別格。自身にも覚えのあるシチュエーションにゆるりとした笑みを浮かべた。気分的には和食優勢、でも暑いからおうどんっていう手もあるな。頬にひとさし指当てて思案顔。入店前から考え始めたことが、少しでも時間短縮に繋がればいいのだが。)お待たせいたしましたあ、お水でございます。おしぼりもここ置いとくね。(ウェイトレス風に語尾伸ばしつつ、グラスを彼の前に置く。ハンバーグを選択した彼に「さっすが、ぶれないねえ」なんて朗らかに笑いながら腰を下ろせば、ボタンを押さんとする彼の指先をはらぺこ顔で見守ろう。)………あっ。まっつんあのさ、(注文を終え、料理を待つ間。少女はおもむろに、傍らに置いていたバッグをごそごそとあさり始めた。がさばっているぼろぼろの楽譜を一旦テーブルへと避難させれば、目当てのゆるかわいい(?)キャラクターの描かれたポーチを取り出す。)これ。わたしも楽譜ずっと見てると目が疲れるから、ストックたくさん買ってあるの。いっこあげる。(「目、痛いんじゃない?」眉をハの字に下げながら差し出したのは、未開封の目薬だ。液体はピンク色、ケースは、ハート形。)あの……美少女戦士コラボデザインだから、ちょっと、ね。いつもよりかわいい仕様なんだけど。(でも効くよ。甘えるように首を傾げる。190センチ近い男子高校生にこれを持たせるのは酷だと思っても、痛いよりはましではなかろうかと。)
Published:2019/06/19 (Wed) 08:50 [ 38 ]
猫好き?俺はねぇ梟カフェとか行ってみたいかも。
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松川一静【〆】
そりゃあ、うっかり手抜いて万が一があったら嫌だし……俺は別に、体力温存して後半で力を発揮するようなタイプでも無いから。どうせ勝つならストレートってのが理想だしね。(波が寄せては返すかのように、瞬く眼差しは穏やかであった。当事者では無い者は何時だって軽薄にものを言う。勝てて当然だなんて、そんな道理あるはず無いのに。「スポーツしてる奴らはみんな、落とし穴だとか大逆転があるって知ってる筈なのに。ねぇ。」特別おどけるでもなく、静かに。伝い落ちる雨粒の様な声が地に落ち沁みる。堪えきれずに伸ばした手を彼女の頭に乗せたなら、そのままぽんぽんと軽く撫で「そんなに褒められると照れちゃう。」だなんて、冗談とも言い切れない言の葉を紡いだ。流石、抜け目ない。楽し気に弾んだ声音に感心の声を漏らしつつ、あわよくば情報の横流しを唆そう。邪魔はしない、けれど教室の前を通るその一瞬だけ耳を傾けるくらいならば許してもらえるだろうと。問題はチームメイトをいかにして出し抜くかというところだが、それはそれとして。後で考えればいいやと、近しい未来よりも今目の前で笑う彼女に神経を集中させるのだ。光を浴びたステンドグラスのように煌く笑顔が、どうかこの先もずっとその相貌を彩ってくれますように。その為ならば他愛ない茶番劇などいくらでも。「魔王イッセーと勇者タカナシ、因縁に決着をつける時!って感じ?」なんて雑すぎる役を振りながら、小さな笑みを唇の端に浮かべよう。)それ見たら、どのくらいの人が信じるものだろうか……。……まぁ期待しないで待ってなよ。(とくとくと静かに、けれど確かに速度を上げた鼓動。見に来てくれるだけで嬉しいとの気持ちは分かるが、彼女を喜ばせたいというのも確か。大それたことは出来ないまでも、甘いチョコレートと美麗な花束くらいならば高校生でも用意が叶う所だから。「笑わなきゃいい話じゃ~ん」痛い、なんて全くそうとは聞こえない調子でじゃれ合いを受け止める中、込み上げる呼気は笑みを孕んでいた。)ほーい、さんきゅ。気が利くね~流石は高梨。(置かれたグラスに早速手を伸ばしては乾いた喉を潤した。消耗した体力が僅かながらに回復したのを感じつつ、さて料理が運ばれてくるまでの間もまた他愛ない話に花でも咲かせようと。閉じたメニューを元の位置に戻せば丁度名を呼ばれ、返答代わりに小首を傾げた。何かを探している様子をじいっと見つめ、出て来た楽譜に思わず目を惹かれる。見ただけで読み解ける訳では無いけれど、使い込まれた様子の見えるそれは彼女の努力そのものだから。しかし、そう気を取られたのも一瞬のこと。ぽすりとポーチがテーブルの上に置かれる音にはっと視線を戻し、その指先、差し出された物へ向けられよう。)ウン……これは確かに、可愛い。(彼女の手に握られている内は、だけれど。呟いた声は些かの苦みを纏っていた事だろう。しかし折角の好意を無下にするのは本意では無い。何より、胸の内に鎮座する天秤はこういう時、容易く彼女に重きを置く。)ありがと。テスト勉強とか気合い入れてた所為か、ちょっと疲れ目でさ……助かるよ。(ひょいとその掌から色合いも愛らしいそれを受け取っては、淡い笑みで彼女を見つめた。「高梨が言うなら効果期待出来るな~。」なんて、目に優しいのは薬だけでは無いのだけれど。丁度運ばれてきた熱々のハンバーグを見遣り、これ一口あげるねなんて言っては細やかなお礼としよう。――まるで彼女の心そのもののようなそれはきっと、目の奥の些細な熱も優しく冷ましてくれるに違いない。忍び寄る悪魔の足音は、鉄板の上で踊る肉汁と二人の楽し気な声に掻き消された。平穏に笑い合う二人の背後で悪魔がほくそ笑み、その長い爪を首元に伸ばしているだなんて誰にも分かりっこない。)
Published:2019/06/20 (Thu) 00:57 [ 41 ]