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(望むのはただひとつ) |
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![]() 茂庭要 |
(検査入院であっても入院なんて家族一同初めてのことで、何が必要かなんて分からずに右往左往して、家族が持って来たのはどこに旅行に行くのかというような大荷物になったそうだ。今は薄ぼんやりとしか見えぬ景色を、母曰く美しい緑色に変化した虹彩を隠すこと無く過ごすのは幾日ぶりか。目に入っている違和感なく過ごせるというのは、こんなにも清々しいのかと僅かに感心しながらも、来訪者を待つ。いや、清々しいと思うのは自信の心持のせいだろう、と小さく笑う。朝早くにやって来た親に通信可能エリアまで連れて行って貰い、連絡を取ったのは自身が誰よりも会いたいと願った彼女。「朝早くからごめんね、その、ちょっと検査入院する事になっちゃって…それで、悪いんだけどまた今日までに出たプリントとか都合のいい時で良いから届けて貰えないかな?」と、そう伝えた。彼女は来てくれるだろう、なんて根拠のない自信を抱きながら、彼女が来るのは夕顔が咲く時間だろうか?なんて思いをはせて彼女を待ち―母とは違う空気を纏う影が視界に入れば自然と微笑みが浮かぶ)亀井さん、いらっしゃい。本当なら今日から復帰するつもりだったんだけど…約束破っちゃってごめんね。来て貰ったのはプリントが欲しいっていうのもあるんだけど……俺が単純に亀井さんに会いたいなって、思ったんだ。(今度は隠していない瞳に、彼女は何を思うのか。驚くだろうか、気味悪くならないだろうか―気分を害さないだろうか。なんて、自分ではわからないのだから考えてもせんのない事なのは分かっているから、彼女をかたどる色から彼女の眼があるだろう場所を予想して、視線を合わせたつもりで口を開く)俺の眼、色が変わってて驚いたよね?実はこれが検査入院の原因で、調べたらこの色のまんま、色は元には戻らないって言うのが分かってね…カラーコンタクト、やっぱり入れた方が良いかな?(そう雑談をする。どんな表情をしているのかまでは見えないが、それはそれで都合が良いのかもしれない。病気について嘘は言わないが、真実も同じく言わないと決めた。嘘をつくのは、これから。顔は見えない方が、決心が鈍らなくていい。)―亀井さん。ひとつだけ言わせて?…俺はずっと、亀井澪桜さんが好きでした。中庭で話すあの時間が、俺にとってはバレー部で過ごすよりも宝物のような時間だったよ。(過去形にしたのが嘘。今も好きなのは変わらないし、中庭で話す時間もそうだ。この言葉を彼女が聞いてどう思うのかはわからない。嘘をつくのは胸が痛むけれど、それでも、ようやく彼女に思いを伝えられたと、安堵したのも確かだった。) |
Published:2019/07/08 (Mon) 10:52 [ 8 ] |
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いつか意地悪な神様が優しくなる日は来てくれるかな。 |
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![]() 亀井澪桜 |
(青年に圧し掛かる真実の一端に触れてからというもの、娘は自ら青年へと連絡を取ることをやめた。否、娘の心に巣食う恐怖心がその指先を縛り付けていたと称した方が正しいかもしれない。ただ、青年の為に、過日までと同様授業ノートをとることだけは辞められなかった。恋情というものは、自分勝手なものだと聞く。恋は一人でする独り善がりなもので、愛は二人で育む相手を思い遣る感情だとか。まったくその通りだと、心の何処かで思った。思えば、彼との恋に約束が付随したことなど極めて稀であり、いつだって、期待から始まって、偶然が必然に変わるように画策して、喜んでほしいのただそれだけでノートを取って、知りたいの一心で病院へと足を向けて。そうして、恋情はあふれて止まらないところまで来ていた癖に、カッコつけたがりな性分が「未だ早い」と諫めて、取り返しのつかないところになった時点で、今度は勝手に「彼の幸せ」を定め、涙にくれる。ここ数日の娘は、メイクなどでは隠し切れぬほどに夜毎枕を涙で濡らし、腫れぼったい瞼を携えたままノートへと一心不乱に向き合っていた。そんな日が続くこと幾許か、登校の準備を終えた頃合いに、通信端末が振動する。見遣れば画面に映る愛しい三文字。目頭の奥が熱くなるのと同時、一瞬呼吸が苦しく感じて、指先に躊躇いが生ずる。遂に来たのだと、思うと同時、あふれてきたのは安堵と悲しみだった。「うん。……わかった。」青年からの言の葉に返答し、電話が切れた後、少しだけ泣いた。けれど目を腫らしたままの顔を青年の前に晒すことは躊躇われたからこそ、HRに間に合わないことを覚悟でメイクを済ませ、放課後にはいつも通りの彼の前での”亀井澪桜”像を結んでみせた。17時前、未だ空に夜の気配は無くて、白い月だけが薄く所在なさげに浮かんでいる。天気予報によれば夜からはまた雨が降るらしい。鞄の中に、折り畳み傘と、青年に頼まれたプリント類、勝手に作成したノートを詰めた少女は、深く息を吐いた後、青年の病室をノックする。)久しぶり、茂庭。何言ってるの──今は、元気になることが一番なんだから、無理して登校してたら、そっちの方が怒ってたよ。(薄翠に色づく青年の眸は、窓からさしこむ陽光を吸収して、宝石が如くきらきらと輝いていた。次ぐ問いかけには、ふるり、と首を横に軽く振る。娘の所作がどこまで青年に見えているのか定かではなかったから、今日は全ての気持ちを言葉に乗せよう。)実は、前にね、こっそり病院に来たことがあって。そのときに看護師さんが話してるのを聞いた。瞳の色が変わる病気、なんだって。だから、眸の色が変わっていることは、知ってたよ。ううん、コンタクトしなくていいと思う。というよりも、茂庭って、笑うと目の奥が柔らかくなって、バレーをするときは怜悧に光って、眸の、表情っていうのかな、そういうのが豊かだから、それをコンタクトで隠しちゃうのは勿体ないと思う。(青年の口吻を真似て、娘も真実には今一つ足りぬ情報を彼へと告げる。ひとつだけ。そんな風に続く口ぶりが優しいのに、娘の胸を締め付けた。笑っていなくちゃいけないのに、涙がこぼれそうになる。「なぁに。」と促す声を紡ぐ唇は微かに震えて、青年に今の表情が見えないことを少しだけよかったと、思ってしまった。)……、――私、(私も、とこぼれそうになるのを必死に諫める。音を伴わぬ呼気は空気に溶け、数瞬の静寂。沈黙の後、そっと彼へと近づけば、その右の手甲に自らの指先を這わせた。)……なんでもかんでも自分一人で背負いこもうとするのは、君の悪いところだよね、茂庭。……私は、君から世界も、バレーも奪いたくなんてない。でも、勝手に終わった恋にされることも、同じくらいに嫌だよ。(嗚呼、やはり恋とは自分勝手な感情だ。青年の言葉に知らぬふりを決め込んで、終わった恋をそのまま受け入れたら一番綺麗な結びとわかっているのに、そうすることはどうしてもできなかった。) |
Published:2019/07/09 (Tue) 19:20 [ 11 ] |
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亀井さんはとっても頑張っているから、絶対に神様も優しくなるよ |
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![]() 茂庭要 |
(扉がノックされた音に「どうぞ」と返して、入ってくる人を待つ。そうして彼女の声を聴けば、久し振りに直接耳にする彼女の声に自然と笑みを浮かべて。)うん、久しぶり。それはまぁ確かにそうなんだけど、基本は元気なんだよ?でも亀井さんに怒られるのは嫌だなぁ…(怒るという事はそれだけ心配をかけるという事に等しいから、ただでさえ休みが長引いているうえに彼女に心配をかけるような真似は遠慮したいところだ。そう答えて、ふと彼女との中庭での会話の雰囲気を思い出せばどこか違う彼女の雰囲気にやはり自身の眼が変化している事が原因だろうと予想を立てて、看護師の話を聞いたという言葉にほんの僅か身体が強張った。)え、そうだったの?それは驚かせちゃったよね…しかもいきなり色変わったから驚かせないようにって思ってカラコンしたのに、すぐにバレたのってそういう理由かぁ…何というか目は口程にものを言い、っていうけど、自分がそうだったって全然知らなかったよ。それ聞いたら隠したい気もするけど…勿体ないって亀井さんが言ってくれるならしないでおこうかな。戻った時に先生達に怒られないと良いけど(なんて軽口をつきつつ、彼女が聞いたという内容が全てではない事に何よりも安心した。伝えられたことに安堵はすれど、彼女からどんなこたえが返って来るかと緊張していれば動いたシル エットと共に聞こえる衣擦れの音の後に触れられた感触にピクリと身体が反応する。どうしたのだろうかと思うも、聞こえた声に意識を向ければ伝えられた内容に最初は首を傾げたものの、彼女の嫌だという言葉には驚きから目を瞬かせて。)………まさか、そんな風に言われるなんて思ってなかったな。背負いこんだつもりはなかったけど………うん、確かに亀井さんからすると勝手に自己完結されるのは嫌だよね。そこはごめん。(彼女との距離感は恐らく近い、という事以外は分からないから申し訳ないという思いを隠さずに軽く頭を下げて伝える。だけれども、彼女の言葉で一つだけ間違っていることがあるのだから、それだけは訂正せねばと顔を上げて彼女が触れている所を目印として彼女の手を挟むように手を重ねる。)…ねぇ亀井さん。一つだけ訂正しておくけど、亀井さんが俺の世界もバレーも奪ったなんて俺は全く思ってないよ。それに、なんだか色々知ってるみたいだけど…俺はね、亀井さんを好きになってから本当に嬉しい事ばっかりで、凄く幸せだって思ってるんだ。(先程は知らないだろうと思っていたのに、彼女の口から出た奪うという単語で先程の看護師の会話内容の中に一番知られたくなかった事が含まれていた事を知る。自分が病気になった事も現在の状況も彼女のせいではないのだから、本来は気にする事は無いのだけれど、それでも優しい彼女は自分から視力が無くなれば全てを失うと思っているようだから、彼女の手を重ねた手で少し掴んで、伝えようと口を開く。)俺はこの眼が見えなくなっても…後悔しない、なんていう事は出来ないけど、でも少なくとも奪われたなんて思う事は無いよ。だって、こんな風になるまで好きな人が出来たって…亀井さんを好きになった事を誇りこそすれ、後悔する事なんてないからね。(嘘をつこうとしてもどうしたって彼女には弱いのは分かったから、降参とばかりに言葉を紡ぎ、それが真実であると言うのを示すために笑ってみせる。彼女が同じ気持ちならという思いはあるけれど、それでも彼女には自分の事を気にせずずっと笑って居て欲しいから―)亀井さん、これ聞くのは酷い事かもしれないけど一つだけ教えて?亀井さんは、…亀井さんが今幸せってなるのはどんなこと?(本当はどうしたら今後も笑っていてくれるのかと問うつもりでいたけれど、欲が出た。彼女の幸せが何かというのも気になったのは確かだけれど、彼女にとって自分はどんな存在なのかと気になった。彼女の答えは自分の望んだものかも知れないが、他の答えも考えられる。どんな答えであっても、それを叶えたいと思うのはただの我が儘だと分かっていても止められそうにはなかった。) |
Published:2019/07/11 (Thu) 20:06 [ 19 ] |
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私じゃなくて、茂庭に。ほんとに人良すぎで却って心配。 |
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![]() 亀井澪桜 |
でしょ。私、怒ったらめちゃめちゃ怖いって言われるし……、でも。怒られるのが嫌って言う理由が、君の場合は他のひとと違うんだろうな。(誠実とお人好しが合わさって形作られた輪郭が茂庭要という人間だ。故に、青年は自らに非がある時、或いは、誰かが自らに対して心を砕いていることを悟った時、向けられし感情が如何に激情であったとして真っ直ぐにそれを受け止めるだろう。逃げることも無く、避けることも無く、厭うことも、煩わしそうにする素振りだって見せず、寧ろ、それほどまでに心を砕かせてしまった事実を拾い上げてしまいそうだと容易に推察される。言葉の結びには眉尻を下げて、溢れた呼気には淡い諦観すら。)あのときは、色が変わってるなんて思いもしなかったけどね。……何言ってんの。大概の人間は、口も目も嘘とか虚勢とかばっかりで見てて楽しいものじゃないよ。言葉も、瞳も正直で誠実なのは、私の知るじゃ、茂庭くらい。(ほら、また。自らが置かれた窮地よりも、こんな娘自身の感情を優先してくれようとする。僅かに皺が寄った眉間を青年に悟られることはないだろう。軽やかに奏でられた冗句には、「そんなので注意するような教師は教師じゃないよ。」と同じく軽やかな響きで返すけれど、真実、心からの言葉だった。青年を前にして、冷静なる理性と思考の狭間で感情が揺さぶられるのは、誰よりも青年のことを愛しく思っているからだ。未だ終えられぬ恋。終えねばならぬと知りながら、未練がましくしがみついている心。さりとて、病室に向かうと決めたときから、結び方は決めていた。終わらせるために、娘は今、青年と対峙しているのだ。)うん。……、勝手に終わらせないで。(故にこそ、青年の唇より終わった形での恋情が伝えられた時も、それ程驚きはしなかった。湧出せし大半は、やはり、という得心。他方で、重ねるように完結の先延ばしを強請るのは、子供のように泣きじゃくる為なんかじゃなかった。目の奥に熱を感じながら、きゅ、と唇をきつく結んで涙の気配を追いやる。不意に重なった青年の熱に、瞠目したのち、青年の言葉へと耳を傾ける。)……、そういうところが優しすぎるんだよ、茂庭は。いっそ詰ってくれた方が、どんなに――お前のことなんか好きにならなきゃよかったって、拒絶してくれなきゃ……私だって、迷いそうになる。(その言葉を全て受け入れた後、娘は自らの腕を掴む青年の手に額を乗せるように項垂れた。幸せ。娘にとっての幸せに、この恋の成就があることは今でも否めない。)……、わたしは。(声が震える。顔はまだ上げられそうになかった。)生まれて初めて好きになった人に、世界を返してあげたい。奪ったんじゃないって言ってくれるなら、新しい世界を、たくさんの可能性を、茂庭に与えてあげたい。だから、……そのために、私の初恋に終わりを告げたい。ねえ、茂庭。――過去形とか、そういうのじゃなくて。ちゃんと、ちゃんと終わらせたいの。だから、(零れた涙は、青年の肌へと落ちた。)今でも、まだ、私のことが好きなら、その心を教えて。(ちゃんと二人で、この恋を殺めましょう。) |
Published:2019/07/14 (Sun) 02:02 [ 27 ] |
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俺?うーん、俺はそう思わないけど…心配させないように頑張るね |
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![]() 茂庭要 |
美人が怒ったら怖いって昔から言われてるしね。…そう?怒られるって事は俺が亀井さんを心配させて嫌な気分にさせてるって事だから、それが嫌なだけなんだけど…。(何やら達観しているような口振りに、何か彼女がそう思うような事をやっただろうかと思い出そうとするも失敗。何か違うのだろうかと、思わず首を傾げて。)まぁ、それが普通だよ。俺だって変わるなんて思ってなかったし…でも結局、余計に心配させちゃったよね。そうかな?なんだか凄く誉められたけど、うちの部員とか意外と素直なのが多いから分かりやすいよ?(彼女が知らなかったように自分も同じだと同意するのは、それが事実だから。彼女の誉め言葉には何やら面映ゆくなって、つい笑みがこぼれながらも部員を思い出せば、素直な目をした後輩たちを思い出してまた笑う。彼女の返答には手厳しいなんて返してみたけれど、「まぁ、一番騒ぎそうなのは後輩たちだから…よかったら助けてね」と軽い口調でこたえて。ーー彼女の言葉に静かにただ「うん」とだけ頷き返して。)俺は優しくないよ。優柔不断で決められなくて、亀井さんを困らせてる、やな奴だよ。でも亀井さんを拒絶するのは無理かなぁ…だって、病気になったのは仕方ない事だし、今の俺はどうしたって亀井さんの事が好きだから…、それが今の俺の幸せでもあるから否定なんてしたくないよ。(勝手に病気になって、彼女を困らせて、悩ませて、酷く傷付けた自分が優しい筈がない。一人で解決出来たら良かったのに、そうではない事実が自分だけじゃなく彼女までも苦しめているのがどうしようもなく許せない。)うん……、亀井さんは本当に優しいね。そこまで、俺の事を思ってくれてありがとう。(重ねた手に感じた温もりは彼女のもので、そうして響いた言葉に耳を傾ける。自身の手に何かが当たり濡れた感覚に彼女が泣いていると分かった。それでも彼女の言葉は優しいもので、頭の悪い自分でもひとつだけ理解した。視力を失えば彼女を自分に縛りつけてしまうが、視力が戻ったならばその視界は彼女に与えられた何よりの贈り物なのだ。どちらを選んでも自分にばかり与えられて、彼女に何も与えられない自分の無力さに落ち込みそうになるけれど、彼女が自分の心を知りたいと願うなら、叶えるだけ。羞恥心はあるけれど、それよりも今の自分の思いを彼女に差し出したくて、今度は自然と笑みが浮かぶ。一番下になった手を引き抜いて)好きだよ、亀井さん。情けないところを見せた事もあったけど、亀井さんのおかげで頑張れた時も沢山あって…さっきも言ったけど、俺にとって教室じゃない、あの中庭で亀井さんと話すのがすごく幸せな時間で…部員には知られてたみたいで実は皆に見守られながらあの時間があったみたいなんだ。(休むようになってから亀井さんの様子を少しだけ教えてくれ、見守られていたことを教えてくれたのは笹谷で、こっそり覗いたこともあったと言われてしまうと照れくさいやらで一言礼を言った後に覗いた時のメンツは体育館内の10周をするようにと言ったのは仕方のないことだと思いたいところだ。)俺が最初に終わらせた言い方したのは、亀井さんに気にして欲しくなかったからだって言ったら怒るかな?本当は病気の詳細とか知らないままでいてほしかったけど、…こんな変な病気になったのは俺だし、亀井さんは何も悪くない、気にしないでって言えたら良いのに、一番辛い事をさせちゃってごめんね。でも、亀井さんがこの病気にならなくて良かった…この病気って初恋の時にだけかかるみたいだって聞いたんだ。だから、悩まないで好きな人に好きって言えるよ。………けどなんだか、それは悔しいなぁ。(自分が病気にならなければ彼女と両思いだったのに、それが叶わないと言うことだけが、いつまでもしこりのように残るだろう事は明確で、心を教えてと言われたのだからと悔しさを伝えてみる。茂庭にとって彼女はバレーよりも手放したくないという思いを抱いた、初めて好きになった人。どうか次こそは幸せな笑顔で彼女が居られるようにと、痛む胸を無視して心からそう願い、自らの思いを殺そうとしていた。) |
Published:2019/07/16 (Tue) 23:12 [ 31 ] |
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