Profile
Name
蔦谷茉莉依
Marie Tsutaya
Jewel
アレキサンドライト
(秘めた思い)
Birthday
6月5日
Height
162cm
Bust
D
Color
リエール
(#1E6F5A)
旧き時代より脈々と続く伝統芸能、歌舞伎の世界に身を置く家系である。芸名は『小谷』屋号は『角屋』家紋は『井桁に陰蔦』。蔦谷家の長女にして末子として生を享け、二人の兄はとうに成人し舞台上の人。つまり、安泰の蔦谷家に生まれてしまった序での子。女は主役にならない世界では、少女への心配りは後回しにされ易かった。心身に根差しているのは、格を落とさぬ為にと叩き込まれた礼儀作法の厳しさと、母の冷たいまなこへの畏怖。舞踊や三味線も嗜んだが、望まぬ技能の押し付けは少女の心を軋ませる要因となる。一人になり易い時分にそっと邸宅を抜け出し、見知らぬ世界を取り込みたがったのは必然か。少女は取り分け夜色の街並みや空を好み、何時しか写真を撮る事を覚え、今や生き甲斐と言って憚らない。唯一は一度だけ、その権利を奪われそうになった。一人歩きがあかるみとなり、世間体を気にした両親に阻害されたのだ。夜を捨てるか撮影を捨てるか、辛い選択を迫られた。私立花洛学園への進学を条件に、少女は夜を置き去りにして写真機を選び取る。逃れられない苑へ籍を置く意は厄介払いと隔離に近しいけれど、自ら選んだ道なのだから辛さはなかった。ただ少しだけひとみに憂いを纏い俯く回数は増えているし、大好きだった夜には人に逢わないよう、部屋に閉じ篭りきっている。人と向き合う機会の少なさが故か、少し素直でない様子をみせるが、根は決して悪人ではない。二度目の喪失の足音がすぐ傍に聴こえても尚、少女はファインダー越しに世界を覗く事を止めない。ぼやけても、色褪せても、眩い世界はそこに息衝いているから。
そうね。………、……ごめんなさいね、正直想像が付かないの。“ただの人”になんて興味ないから。ファインダー越しに覗く世界よりも鮮やかなのかな。ちょっと知りたくはあるわね。知ったら撮るものに変化は現れるのかな…。あたしは風景にしか興味がないんだけど、好きな人が出来たら…その人を撮り続けたい、って願うようになるのかしら。そう言う観点では、とても知りたい…って思っちゃうな。でも、あくまで撮影の肥やしよ…屹度ね。味わった事もないから、断言はできないけれど。より良い着想を引き出す為なら、一度や二度苦しんでみるのもいいかも知れないね。……がっかりした?……ふふ、半分冗談。本当はちょっとだけ憧れちゃうわ。