愛も恋も混ぜ込んで、全て煮詰めた色はさて……斯様なる色となり得るのでしょうなぁ。
ハ、ハ……私には、とんと、とぉんとわかりませぬが……ええ、ええ、興味は或ります。
無縁とも思えた感情を、けれども知りたい強欲な、私に見せてはくれませんか。
そして願わくば――あぁ、いえ、いいえ、やめましょう。
これ以上はきっとね、ええ、そう“面白く”なくなってしまいますから!

Character

さて、神保の娘は変わり者だと言い始めたのは何処の誰であっただろうか。その言葉に違わず、彼女の紡ぐ言葉は何処と無く芝居がかったものである。一応は良家の子女であるくせに、お嬢様らしさなどこれっぽっちも持ち合わせてい。そうした指摘の言葉があっても“まァ、それでもいいじゃァないか”等と笑い飛ばす様はやはり、少女らしさに欠けるだろうか。至極気まぐれで自由人、時折恣意的な行動を取る事も或るために、そうした点ばかりを聞けば、一見どうしようもない問題児として映るやもしれないし、実質時と場合によっては問題児として名が上がる事もあるものの、平素、学園に於いての生活での彼女は存外真面目で真っ当で、至って“普通の生徒らしい”態度を見せている。たしかに彼女は変わり者というカテゴライズが正しいやも知れないが、かと言って教員や、場合によっては上級生に目をつけられるのも面倒だからと全く普通を装う事とて出来るのだから、世渡りの術ばかりは心得ているというか、何と言うか。自由にしていい場面ともなれば己の興味が赴くままに、あれやこれやと視点を変え好みを変え、興味深いとも感じれば、いっそしつこいとも取れる程に追い回すものの興味を失えばいつの間にやら居なくなるなどというのも日常茶飯事。そんな彼女が好み続ける数少ないものはと言えば読書に執筆、そして観劇の3つである。それ以外に関してはそれこそ、趣味についての質問ですらその時その時で答えが違う事とてあるが、その3つのみは安定して、彼女の中の好きなものとしてカテゴライズされているらしい。創作活動に於いて、様々な経験は大切だと思ってこそいるものの、此の齢にして恋愛経験皆無、そもそも人様の恋愛模様を伺うならばまだしも、己が誰かを好くという格好が、いまいち想像できぬまま、此処までやってきた。所詮世界は擬物、遠巻きに眺め理想を詰め込んだ世界を綴る方が楽しいのだなどと些か子供じみた思いを胸に、疑わしい世界を、けれども彼女は愛して生きている。

First Love

恋! しかも初恋ときましたか! ははぁ、どうにも貴女様は私に、滑稽話をさせたいとみました。……嗚呼、いえ、いえ、冗談、冗談です! ……して、初恋ですか、そうですねぇ……落ちてしまえば至極、愚かしい道を歩むもの、されど甘美な響きを持って、我々を魅了して止まぬもの……とでも申しましょうか。ハ、ハ……いやぁ、申し訳ない! 私どうにも惚れた腫れたの話は好みません故にね。ああ、ううむ、うむ、好まないという表現は宜しくないか。お恥ずかしながら恋と言うものがよくわかりませぬ故。とはいえど……まァ、そうですなぁ……興味はありますよ。執筆の良い糧になりそうですから。それにそう、知らぬモノを取り込み飲み込みたくなるは、創作者の常、で、ありましょうからな。