今日はおひさまがとっても元気だから、日向は眠くなっちゃうかな。
……えへへ。ちゃんと美味しく出来たと思うんだけど、
やっぱり、きみが気に入ってくれるのが、いっとう嬉しい。
東路 茉
Matsu Azumaji
Profile/Data
誕生日│学年│身長│バストサイズ
宝石(石言葉)│印象色
好きなものは日向ぼっこ。得意なことは丁寧にこしらえた甘い小豆とふくよかに炊いたもち米でおはぎ或いはぼたもちを作ること。日々をのたくたとマイペースに生きる少女は穏やかながらも感情に素直であり、人並みに慾深く、積極的な探究心を料理へと向かわせる性情をしていた。家を継ぐはずの弟が病弱で食が細い、そんなことがきっかけで気を遣うようになった食事という日常は、ひとの幸せにも直結する素晴らしいひとつとして将来はもっと美味しくもっと人を笑顔にできる料理に触れてみたかった。そんな夢があるからこそ、何に対してもまずは客観性を重視した真意を図ろうとする聡明さを持ちつつもたったひとつだけ、どうにも我慢が効かなくて納得いかないことがある。『わたしの将来をどうしてお父様が決めるの』ってこと。少女は貰い手が居ないわけでもない。卒業顔と囁かれるほどの不細工でもない。家柄さえもそれなりで未来に憂う何某がある訳でもない。されど幼子みたいに駄々を捏ね、婚約者に対し『女学校は卒業するまで在籍する』と言い放ち今。気づけば5年の最高学年。クラスメイトがぽつぽつと減っていく感傷を浮かべながら、結局籠の鳥である己の身の上を心裡では不機嫌そうにのろっている。
海野という男、名の通り港町の貿易商社の総帥として君臨する一家の跡取りである。明朗快活として爽やかな好青年であるが人並み以上の野心と向上心を持ち、商才は齢二十歳前半の若造にもかかわらずめきめきと頭角を現しつつあるとか。「まだ結婚したくない」と我侭のたまう茉に対し、大海原のように広大な心を持っているゆえに自由を許しているかと言えばその点は半々。結婚の時期に拘らない質であることと、女を己の手の内に迎えるのはあくまで自社を大きくするためのひとつと断じているからだ。女自体を道具として扱わないとはいえ、その身の価値は境遇と家庭の利益によって己に齎される恩恵により決まるとばかりの態度にて、一抹も恋愛に対して興味のない、乾いた男であるのだった。